【布袋寅泰】16 Paradox(2017)
16 Paradox
はい、今回は布袋寅泰の16枚目のオリジナルアルバム、「Paradox」をご紹介しましょう。
このアルバムは、正直に言って、過去の布袋作品と比べて、失敗作と言わざるを得ないと思います。
その理由はいくつか挙げられますが、まず音質がこれまでの作品から大幅に落ちている点ですね。全体的にくぐもった、もやもやした音になっており、「AMBIVALENT」以降のハイファイな音から大分後退しているという印象です。
楽曲自体の質も、「DOBERMAN」以降キープしていたクオリティを保てず、印象に残らない曲が多いですね。ロックというより歌謡曲な曲が多いのも正直布袋には似合わないと思います。「ヒトコト」、「Paradox」、「Aquarium」などですね。
サウンド的にも個性やインパクトがなく、布袋らしさを発揮できている曲がない。こう書いていくと、本作は4枚目のオリジナルアルバム、「ギタリズム Ⅳ」に似ているなと気づきました。ただ、本作は全体的に、何か布袋自身が迷っているような、心ここにあらずのような雰囲気を感じます。その意味では、まだ自信満々な雰囲気があった「ギタリズム Ⅳ」の方が良いとも思いますが。
歌詞はこれまでになく社会的なメッセージを込めようとしているように感じますが、それも正直あまり似合わないなと思わずにはいられません。
総じて、どこかピントのずれた、ぼやけた印象のアルバムになってしまっているという感じですね。